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意地悪な気持ち


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意地悪な気持ちが芽生えた。

ある日の夕方、ツイッターで誰かがいいね、と押した写真を私はしばらく眺めていた。

「婚・姻・届」

の文字の一つひとつに指輪が置いてある。

 

フーン…なんかオシャレじゃん。

 

どこの誰かも知らないのに大層失礼な話だということは百も承知だが、私はたった今、一丁前に「嫉妬」という気持ちを味わっている。

 

私にその用紙を書く日は今後も恐らく訪れないだろう。

そういう相手がいない、とかの問題だけではない。

結婚ができるかできないかの話ではなく、私は元来「結婚をするかしないか」にあまり拘りを持っていないタイプだ。一人暮らしのスタイルを気に入ってはいるし、だからこそのソロ活動も精を出して謳歌している。

「一人で居る」という環境をトコトン楽しもうと極めて来たため、今さら「複数人で」生活するとなると譲れない点が多すぎることにも気が付く。

誰にも気兼ねしないで好きにだらけたりつまらないマイルールに拘ったりできる生活にラクさを感じてこの状況に安住しているというわけだ。

しかし結婚をし末永く共に生活することが決まった二人を「おめでたい」という気持ちもとてもよくわかる。

にも関わらず、やっぱり今回の写真に関して私はそのような気持ちになれなかった。

見知らぬ二人だからだろうか。それだけじゃない気もする。お腹が空いている時に見た写真だからだろうか。とりあえずそういうことにしておきたい。

 

私の中の意地悪な気持ちがムクムクと顔を出す。

嫌だな。こういうところ。

 

しばらく虚無を味わってから検索窓に

「冷感 敷きマット」

と打つ。早く平穏を取り戻したい。

 

どこの誰かも知らない二人はきっと今夜も幸せだろうな。

そこは純粋に素晴らしいと思うのにな。

 

次に会う時までまたね、意地悪な私。