助けてと言えない人へ
あることで心も体も酷く傷つき、誰に助けを求めていいかわからず困った時のこと。
その時かろうじて繋がっていた支援者に思いきってメールを送ってみたことがある。
するとその人は私の住んでいる県にある公共の支援センターや団体の連絡先一覧が載ったHPをすぐに返信してくれた。
どこを選んだらいいかすぐにはわからなかったけど、とにかく見てみて感覚的に「ここかな」と思ったところに電話をしてみた。
時間帯は深夜3時頃。自分の携帯番号は非通知にした。
ものすごく緊張して汗は冷たく、首元は暑く、喉はカラカラだった。
2コールくらいですぐ電話口に出てくれたのは若い女性の声だった。
何から切り出したらいいかわからなかった。
やっと喉の奥から声を絞り出してから出たのは
「もしもし、あの、急にかけてしまいすみません」の言葉だけ。
私の声は消え入りそうな程小さく聞き取りづらかったと思う。
しかし返ってきた言葉はまずこれだった。
「もしもし。今、安全な場所にいますか?誰かが近くにいるようでしたら、なんでもいいので合図をください」
そんな感じだった気がする。
幸い一人だったので
「いえ、家に一人でいます。すみません。どうしたいいかわからずかけてしまいました」と答えた。
そこから先も相手の女性の対応は終始丁寧だった。
怪我の有無や体が無事かを気にしてくれたのも勿論安心だったが、私が自信なく答えた悲しいエピソードに対しても
「それは傷ついてもいいことなんですよ」としっかり受けとめてくれた感じがあった。
それだけで色んな捉え方が変わった。
私、すごく傷ついている。
怒ってる。あれは歴然とした暴力だったんだ。受け手である私が、私のことを一番に考えていいんだ。最初にやることは相手の事情を慮ることではない。私は、まずちゃんと傷つくことができるんだ。悔しい。悲しい。心が痛い。
だから、誰かにちゃんとそう言って助けを求めなくては。
そんな風にしっかり思えた。
もし今何かに困っていて助けを求めることができない人がいたら、怖いかもしれないけど県や市がやっているサポートセンターに電話してみるのもいいかもしれない。
たまたま私がかけた先の当番の方が本当によく聴いてくださる方だったのかも知れないが、助けになった例がここにある。
なんか違うなと思ったら切ればいい。
そういった公共の団体でなくても自分がその時安心を感じられる人だったら友達でも知り合いでも誰でもいいと思う。
何かが助けになりそうだと思ったらそこにアクセスしてみようとするのは素晴らしい勇気だ。
最初に情報をくれた支援者の方にも本当に感謝している。
傷つきはすぐには癒えない。
けれど、少しずつ、本当に少しずつ何かが変化すると信じている。
私も自分のことをもっと大切にしていこうと思う。
これからもたくさんこころを癒やして、世界にたった一人しかない自分を大切に守っていこうと思う。