みんなの話
その話をすると、毎回涙が出る。
かなしい涙ではなくて、一生懸命にやってきたことに対する誇らしさがある涙。
本当の安心感を知るまで、私はずっと何も言えずにいた。
その話をするときの私は
どこも飾らない、ただの私になる。
素直に自分のもつ想いをいろんな人に伝えたい私になる。
弱くて恥ずかしくて情けないままの私になる。
そんな私でいられる場所に身を置いて安心すると、あったかい気持ちにじんわり包まれて幸せな溜め息が出る。
夜に家の灯りがポツリ、ポツリと少しずつともっていくように
やさしいちいさな灯りがひとつ、またひとつと増えていく。
確かな力をもって。
愛の自家発電だ。
その先の家々で誰かが誰かの話を聴いて笑ったりあたたかい涙を流しているように
いろんな場所で
いろんな形になって
想いの灯りは勝手に灯っていく。
この優しい世界を、一体どこで区切れるというのだろう。
愛でつながる世界は丸くて、やっぱりただひとつな気がした。