迷える子羊、it’s me。
生きているといろんなことがある。
自分の中の大きな矛盾にふと気がつくこともある。
自分の弱さから知らないうちに誰かの境界線をいとも簡単に越えてしまっていたのではないか、と不安に思う夜も。
もしもそうあったのなら、これからはただ誠実に生きていくことをまたがんばるしかない。
目の前の労働を力いっぱいに果たしてその仕事っぷりに誇りを感じたり。
帰宅途中の乗り換えの雑踏で不意に心細くなって、私にも帰れる家があればなぁと胸の内で呟いてみたり。
誰かのぬくもりがある、小さな灯りのついたホームが。
一緒に住んでいなくてもいい。
帰るとただ安心して、今日のことを言葉にして話したくなる、そんなあたたかさのある場所。
居るだけでホッとする場所がほしいな、
そんなことを思ってご飯を食べたら急に元気になって
「お腹が空いてただけかぁ」とひとり笑ってみたりする。
片付けが済んでメールボックスを確認したら
「ありがとう」の文字を発見して胸がぎゅっとなってしまった。ただそれだけなのに、危うく泣きそうになった。
ありがとうって魔法の言葉。
自分で言うのも誰かから聞くのも両方じんわりする。
こころにじわじわと力が湧き出てくるような気がする。
そして誰かにやたらと愛情を向けたくなる。
ただそこにある体にくっついて寄り添って、ひたすらに撫で撫でしたくなるような。
迷子の子羊出ておいで。
今宵は一緒にスウィングしよう!
おしまい。