夜におもうこと
誰もが言いたいことを言えたらいいよな、
なんて思うけれど
きっと違う人同士が同じ地球にぎゅっと詰まって生きているから黙っていることもまたその人のそれなりだ。
みんな忙しくて、脇目も振らずに同じ時間の中で色んなところを行き交って、
私は時々どうしようもなく不安になる。
真夜中に遠くで響くサイレンに目が冴えて眠れない夜も
透明なケースに入ったような画面越しのお茶会も
なんでもないよって笑ってみてもぎこちなく過ごして額から出た汗が目にしみてとても痛い。
こわくなって何度も投げ出したくなるけど、
その度に誓い直そう。
私はただのそのあなたと笑って立っていたいだけだから
先に見える希望とか夢は今のところやっぱり持ち続けていよう。
ティッシュを囲んでみんなで涙を流せるその日まで、私の部屋でおやつを食べよう。
少しだけワガママな妄想をするとしたら
目には見えない優しい手が差し伸べられてたらいいな
私ももう片方の手を誰かに差し伸べていたいな
みんなで掴んで一緒に立てたら、世界がまるで違って見えそうだ。