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エレベーターに激突した

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今日は早起きしておつかいをした。

意気揚々、色んなことがトントン拍子にいってると思った矢先、夕方に自分の動くスピードを見誤ってエスカレーターの扉に顔面からぶち当たってしまった。

一緒に乗り合わせた男性の方が「開」ボタンを押してくれたのだ。早く出なければ、と焦ってしまった。

エレベーターの扉が開くのってあんなにスローだっただろうか。

ボタンを押してくれたことへの感謝の気持ちと焦りの両方を持って、まだ3センチくらいしか世界が開けていない鉄扉に私は突進した。

ガツン!だかバチン!だかわからないすごい音がして、目の前に小さな宇宙が出来た気がした。が、幸いこめかみと頬骨と顎が少々痛むくらいである。

倒れたりしなくてよかった。

私ほどの者になるとドジによって街中で人に容易く迷惑をかけかねないので日頃からけっこう気を張って過ごしている。なのにこのザマだ。一体どういうわけなのだろう。

 

猛烈な痛みとそれを上回る恥ずかしさが全身を炎のように包み、私は右半分の顔面を手で押さえながら「すみません」を連呼していた気がするがあまり覚えていない。

なぜこんなにドジなのか?とかなりしょげる。しかし仕方がない。

一番びっくりしたし痛いのはこの私なのだから本来ならばその場でワンワン泣き出したいところなのだが大人だからそうもいかない。

こういうとき、「大人であること」をつくづく考えさせられる。できるなら泣きたいときには思い切り泣きたい。

 

さてこの場合、エレベーターが開いた先に人がいなければよかったのだが、あいにく待ち人がいたのでこちらのリアクションも中途半端になった。

エレベーターに居合わせた男性はたった今、私がけっこう激しめに扉にぶつかったのを目の当たりにしたところである。齢40後半ほどのスラリとした優しく穏やかそうなスーツ姿の男性であった。ジェントルマンゆえに「開」ボタンを押してくれたのだろう。有り難い。

しかし私の方は猪突猛進である。

鉄にぶち当たるその様を見て男の穏やかそうな感じは消えてなくなり「ワァ!」だか「ダァ!」だかわからない、かなり大きめの裏返った声を出させてしまった。危ない!と伝えてくれたのだ。危ないもなにも、危ない。私ってそうなのだ。

びっくりさせてしまったことを心から本当に申し訳なく思っている。

右半身(主に顔、その次に肩)を勢いよくぶつけた私は痛みと恥ずかしさを必死に抑え、せめてもの礼儀とばかりにボタンを押してくれた男性に視線をやり「ぐへへ」と力なく笑った。

痛みと衝撃により上品さは失われたがこの際そんな贅沢は言ってられない。

その間およそ2秒くらいだろうか。時間とは誠に無情、

エレベーターは不本意ながらも上品さのかけらもない激突女とびっくりした優男をフロアの待ち人にお披露目する形となった。かなりな勢いをもった激突だったためか男は「だ、大丈夫ですか、、」とあまり呂律の回っていない感じで聞いてくれた。しかし私もかなりの衝撃を受けた直後のため呂律が回らず「だダイス、ダイス」みたいな頭の悪そうな返答しかできなかった。全般的に情報処理力が追いつかず、日本語すら怪しい者である。

右顔面を抑えながら「大丈夫」とは伝えつつ、情けない顔をして相手方の表情を見やったそのときだ。びっくりと安堵が強い力で交互に訪れたためか、私たちに訪れたのは天から降ったような笑いだった。男も私も目を合わせて互いに吹き出した。私、よっぽど変な顔をしてたんだろうなぁ。

開いた扉前で待っている人がいるので「スイマセン」とお辞儀になっていない中腰の姿勢で私はそそくさとその場を去ったが、居合わせた男性が笑ってくれたことはとにかく救いだった。

脚本でいえば「はける」といった形だ。

「悪いのぅ優男よ。あばよ!スタタッ」と心で唱えた。

見知らぬ人と吹き出して笑い合えて、結果楽しくなった。笑えないかと思うほどの状況に陥ったりもするけれど、だれかの笑いによってすごく救われるときもある。

 

あれ、びっくりしただろうなぁ。

本当にごめん見知らぬ人。

これからはゆっくり自分の体の幅と自分の動く速さを意識し、落ち着いて動き出そうと決意します。

できるかはわからないけど。